思い入れが強すぎる(MAD)なプレイリスト #3

女優ならではの表現力が溶け込んだ曲をピックアップしました。女優のイメージが強くても、調べてみると歌手デビューが先というパターンも多いため、ここはあえて「(おそらく)女優デビューが先」な人に絞りました。女優にしか出せない?グルーヴに酔いしれてみましょう。

 

#1「偶然」前田美波里
数はそれほどありませんが、そこそこレコードも出している美波里さん。1976年の唯一のソロLP「BIBARI」はシティポップにカテゴライズしてもいいような、捨て曲なしの素晴らしい作品。こちらの曲は柳田ヒロさんのオルガンが炸裂した2分に満たない快速ソング。何回でも繰り返し聴けます。

 

#2「命あるものは樹から落ちた」坪田直子
劇団「東京キッドブラザース」出身で、私の愛する石立ドラマ「気まぐれ天使」でも、その個性で強いインパクトを残した女優さん。1976年に発表されたLPから。アルバム中、最もカッコいい1曲。表舞台での活動期間が短かったのが勿体ない。

 

#3「シャム猫を抱いて」浅丘ルリ子
(今がどうということではなく)若いころのお姿は本当に美しい大女優。1969年のLP「心の裏窓」は良質な歌謡作品ですが、この曲だけ一線を画す仕上がりで浮いています。イントロのドラム、そこに絡んでくるホーン、スキャット。程よく怪しげなBossaグルーヴが終始続きます。サイケなジャケットのアートワークは横尾忠則さんで、デザイン的にもGood。

 

#4「さよならも云えなくて」江波杏子
タイトルの字面はオザケンの曲のようですが、こちらは昭和の名女優、江波杏子さんの作品。数枚だけシングルを残していて、こちらは1968年リリースの3枚目のB面。サバダバスキャット、夜のジャジーな雰囲気が心地いい和ボッサで、ルックス通りのクールビューティーな1曲。

 

#5「涙の海へひとり旅」奈美悦子
バラエティ番組におけるうるさいおばちゃん、または身体の大事な部分を失った悲劇の人、という印象ですが、元はれっきとした女優さん。波のように押し寄せてくるグルーヴがたまらないこの曲は、昭和の最先端の大人、ジャズピアニスト三保敬太郎さんの作品。こんなカッコいい曲を残している奈美さん。もっと評価されるべき。