スーパーアーティストとの出会い ♯1

これまで自分が一緒に仕事をしたことのあるアーティストの中でも破格のスーパースターを挙げるとすれば、ひとりはキース・へリング、もうひとりはKAWSかな。

両者との出会い(仕事)の場はいずれもパルコ。K.へリングは新たにスタートした「日本オブジェ展」という若手アーティストから立体作品(オブジェ)を公募する企画の栄えある第1回特別審査員としてダメ元で声を掛けてみたら、あっさりOKが出てしまい…大慌わてで招聘やら何やらの準備をした30数年前の思い出がつい昨日のように蘇ります。特に印象深いのが、『どうしても歌舞伎町のネオンが見たい』という彼の希望を叶えるべく、当時の付き人(兼恋人)と一緒に歌舞伎町に繰り出して、なぜか台湾屋台料理店(当時新宿南口のガード下にあった)やディスコのようなカラオケ店入ったこと。ちなみに本人はもちろん歌うことなどなく、ひたすら持参したマジックで灰皿や割り箸の袋にアイコンである赤ちゃんのキャラクターを描き続けていました。残念ながら翌年亡くなってしまいましたが、今でも僕の仕事のハイライトのひとつです!

キース・ヘリングと歌舞伎町のカラオケ店に行った時に灰皿に描いてもらいました!

そしてKAWS。実はそんなに強烈な記憶が残っていない…それくらい存在感が薄かった印象でした。最近見た写真では「FORBS TOP100の富豪」的ビジネスマンの風格(体格)でしたが、日本での最初の展覧会@渋谷パルコギャラリー(2002年)に来日した時の彼は、キャップを深々と被り、Tシャツ&ジーンズ&スニーカー姿のフツーのスケーターで、大物アーティストのオーラはほぼゼロ。いわゆる蚊の鳴くような声でぼそぼそと喋るだけで表情も乏しく…でも作品のインパクト・個性は圧倒的でしたね。今ではすっかりアートセレブの地位を確立していますが、僕にとってはK.へリング同様「絵を描いたり、キャラクターを創ったりすることに、いつも夢中になっているフツーの少年です。

KAWS日本初個展@渋谷パルコギャラリー(2001年)の時に書いてもらったサイン!

その時の限定ステッカー✌️今メルカリでに出したら幾らになるのか😆

20年後のKAWS展@森アーツセンターのカタログ✨なんとキース・ヘリングとの関連性について書かれています☺️

それにしても、良い時代に良い仕事したなぁ(…自画自賛)。