二刀流アーティスト?
いきなりですが、最近どうもしっくりこない、ピンとこない言葉の代表格が「アスリート」です。自分勝手なイメージは「アスリート=陸上選手、オリンピック選手」でしたが、最近では野球選手もサッカー選手も卓球選手も、さらにはカーリング選手も大相撲の力士までも、全部ひっくるめて「アスリート」呼ばわり。ちなみにオリンピック出場選手を「オリンピアン」と呼ぶメディアも現れて…。語源がギリシャ語云々とかはどうでも良くて、要するに「名が体を表してない感じ」が気持ち悪い。さらにたちが悪い(?)のが「バディ」。もちろん「BODY(ボディ)」の母国語っぽい発音ではなく「BUDDY」、要するに「相棒」のことですが、やたら目(耳)につく居心地の悪い流行語です(…大賞とかにはなっていないようですが)。
で、ここから本題。最近どうも意味不明というか使いづらい言葉(呼称)の代表格が「アーティスト」ではないでしょうか。辞書的にはシンプルに「芸術家」(藝術とはちょっと意味が違うらしい…)なんだろうけど、「CDTV」に出演している人気グループもアーティストと呼んだりしている今日この頃、じゃあ「ART=芸術」とは?という哲学的な疑問ループに入り込んでしまいます。
「AKB」や「○○坂」をアーティストとは呼ばないのに「KING GNU」は藝大卒だし歌詞が文学的だからアーティストと呼ぶ(呼ばれる資格がある)のなら、自称アーティストも含めて言ったもん勝ち的な、あまり価値のない呼称(肩書)なわけです。またアスリートには「プロ」と「アマ」という強固な壁が存在しますが、アーティストは「自称(自薦)」と「他称(他薦)」というふわふわしたカーテンで仕切られているだけ。個人的には「商業的活動」と「創造的活動」の二刀流に実力とセンスを発揮する「大谷型」が、まさに(日本で生き残れる)アーティストと考えています。
最近6月に東京で個展を開催した2人の二刀流アーティストに注目しています。1人目は写真家 平間至氏。個展のタイトルは「写真家・平間至の両A面アー写/エー写」…まさに二刀流アーティスト平間氏のスタイルを見事に表しています。ここでの「アー写」はアーティストの写真、「エー写」は営業写真館(平間氏自身が経営)の写真という意味。もちろん「アー写」の作品の多くはクライアント・ワーク(レコードジャケット・雑誌・広告等)ですが、被写体に向けられた彼独自の視点(作風)は「創造的活動」以外の何ものでもありません。
京都会場に続いて富士フイルムのギャラリー(東京・六本木)で開催された展覧会は、1万人を超える大盛況。
1995年、平間氏初の写真集「MOTOR DRIVE」発刊記念展をパルコギャラリー(東京・渋谷他)で開催した時からの、長いお付き合い。
二人目はイラストレーター アレッサンドロ・ビオレッティ氏の個展「ARE YOU A REBEL?」。日本在住のイタリア人イラストレーターである彼のアーティスト活動は、デザイン会社勤務時代の商業イラストレーターからスタートし、独立してからクライアントワークを継続しながら、様々な展覧会(個展やグループ展等)を通して、創造性(オリジナリティ)溢れる作品を発表しています。
ビオレッティ・アレッサンドロ個展「ARE YOU A REBEL?]@BOOKMARC(東京・表参道)はLong Distance Love 柴田akaTHE M.A.D BROTHERS(S)プロデュース!
ビオレッティ氏が彼のスタイルで描いてくれた柴田の自画像。
2人のアーティストの共通点は「二刀流でありながら、その作風(スタイル)は全く変わらない」こと。どんな要求にも柔軟に(作風を変えてまでも)対応するカメレオンアーティストではなく、どんなシチュエーションやメディアで見掛けても「平間さんの写真」「アレさんのイラスト」とすぐ分かる強烈な個性とメッセージが伝わってくる作品を創作し続ける、真の(二刀流)アーティストです。
Contの河野社長akaTHE M.A.D BROTHERS(K)とデザイナー敷嶋さんも即ファンになったビオレッティ氏の作品の前で本人と記念撮影!